視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


「これ…。」


「二人の”願い事”が、書かれているだろう?セツは、松原大輔の『伝わればいいのに』を見つけて、それが叶った。松原尚子の『見つけてやる』を見つけて、松原大輔が戻る事でそれが叶ったんだ。」


「確かに願いには変わらないけれど、こんな…ふとした時に書いた様な物…。」


目の前の男性は、鼻で笑った後、
『そのふとした時に、人間の本音が出る。考え抜いてからした願い事など、無いも同じだ。』
と、そう言ったんだ。


< 214 / 252 >

この作品をシェア

pagetop