視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~


「…恐怖?…神?…そんなのっ、神なんかじゃないっっ!!」


「貪欲な願い事などする人間が、現世に戻る必要はない。当然の報いだ。…傲慢で、えげつない人間は、人間でいる必要などない。【MOYA】は、そう判断している。」


「何言ってるの?【MOYA】は、ここから帰れない人の複合体なんじゃないの?…そんな、まるで特定の一人みたいに…。」


「【MOYA】とは、複合体などではない。言っただろう?”神”だよ。ここから帰れない人間は、その一部となるだけだ。」


神…?
この人は…栄は、何を言ってるの?
そんなの…
そんなの…


「そんなの神なんかじゃない!!!」


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