視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
お父さんもお母さんも、ソファーに座っている。
私を含めて横一列に。
後ろに居るのは……”誰”?
横を見ても、お母さんとお父さんは聞こえていないのか、テレビのニュースをただ見ているだけ。
私は、ガタガタと体を震わせながらも、ゆっくりと体を横にずらし後ろを振り返ろうとした。
だけど、私はその途中で体を硬直させた…。
振り返りきる前に、視界の端に【黒い靄】が見えたんだ。
震えは酷くなるばかり。
恐怖でお母さんに話しかけたくても声が出ない。
その時…
その【黒い靄】の方から…
『死人ガ増エタ…ククッ…仲間ガ増エタ…』
そう聞こえてきた…