視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
「私達家族が、死んでから発見されるまでに1ヶ月かかったからだよ。時は夏。一部が腐敗して骨が露になった。」
「……っっ。」
「そのせいか、この【MOYA】が活動出来るのは、7月7日から8月7日までの1ヶ月だ。…私達が死んだのが、7月7日だからだ。」
「何で…何でその日に…。っっ?!…大輔が居なくなった日…っっ!」
「この世界に取り込まれた人間は、願い事の重さによって、叶えなければならない期間がある。それは【MOYA】の判断によるが、願いが重ければ重いほど短くなる。期限は8月7日。叶わなければ、一部と化する。」
「そんな…じゃあ、香里奈は…。」
「残り少ない。その母親もだ。…だが、この世界にいる君には叶えられない。」