視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
「あの男…。」
と突然、栄は舌打ちをした後、空中にテレビ画面の様なものを浮き上がらせた。
そこに映し出されていたのは、私のベッドに腰かけて、私の書いた置き手紙とスケジュール帳を手にしていた大輔の姿…。
その大輔の前には、お父さんが立っていた…。
「…気付いたのかっっ。」
そう、栄が言った後、画面の中にいる大輔の声が聞こえてきたんだ…。
『香歩の…セツの願いは…私が叶えるっっ。』
『大輔君っっ?!!』
大輔はそう言った後、部屋から飛び出して行った…。