視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
【黒っぽい物】【黒い靄】【MOYA】
--- 翌日の朝。
お母さんと学校に行く準備をしている時に、家のチャイムが鳴った。
リビングにあるモニター画面を確認してみると、そこには警察手帳をこちら側に広げて見せる男性が二人、立っているのが見えた。
お母さんはそのまま玄関に向かい、その二人の刑事さんを招き入れたようだ。
その刑事さんを目の前にした時、一人の刑事さんが俯いていた私に、
『またキミか…』
と、溜息まじりに言ったのが聞こえてきた。
私が顔を上げると、私自身にも白髪混じりのその中年男性に見覚えがあったんだ。
その人は、大輔の家で取り調べをしていた長田刑事だった。