視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
何それ…
私だって知りたいのに、
でも、知らなくて。
何が言いたいの?
私は心で思った通りに、山田先生に問う。
「先生が言いたい事が分かりません。私も大輔がどこにいるのか知りたいんです。」
「お前らはそうやって、友達同士で庇い合うからな…。何の連絡もないし、捜索も行き詰まってる。だとしたら家出しかないだろう。」
「ちょっ…待って下さい先生!本当に私っ…」
「松原に早く家に帰るように伝えておけ。もう、帰っていい。」
私の言葉は遮られ、山田先生は勝手に会話を終わらせた。
まるで私が大輔と一緒になって悪さをしているみたいに決めつけて。
納得がいかなかった私は、先生の前に留まっていたけれど、先生に再度帰るように促され渋々職員室を後にした。