視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
屋上で寝転んだまま昼休みになった。
変な疲労感が抜けなくて、何もしたくない位に気だるかった。
「マジで最悪な気分…。」
私がそう呟いた時、視界の端に何かが動くのが見えた気がした。
そちらに首を捻ると、遠くの空にカラスが飛んでるのが見えて、
『なんだ。カラスか。』
と、胸を撫で下ろす。
大輔が言っていた【黒っぽい物】が頭に染みついているのが良く分かる。
私は頭を振ってから立ち上がった。
「今日はもう…帰ろ…。」
私が屋上から校舎に入る時、誰かの笑い声が聞こえた様な気がした…。
『クククッ……』