視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~

帰宅後、私は大輔の事を考えながら、見てもいないテレビの前で座り込んでいた。

何度思い返してみても、大輔には変わった事は感じられなかった。
帰り道でだって、いつも通り笑い話をしたりしていたし。

私は、何度も放課後に大輔を探しに行こうとしたけれど、最近の不審者情報の多さにお母さんがそれを許さなかった。

だから、私はただ家と学校の往き来しか出来ずにいたんだ。




お風呂を済ませて自室に入ると、私はスケジュール帳を開く。

特に書き込むスケジュールはなかったけれど、気が向いた時にだけ、狭い書き込みスペースに短い日記を書いていた。


私は今日の日付の枠に、私を咎めた山田先生への不満を書いた…。



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