視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
黒からの帰還者
「香里奈っっ。…おばさんっっ!」
「…香歩さん…。」
なんで…どうしてなのっ?!
何か目的があるの?!
香里奈のお母さんまで、
どうして…っっ?!!
そこまで考えた時、思い出さざる終えなかった。
「だ…大輔のお母さん…は…。」
大輔のお母さんは、それこそ大輔が居なくなってからすぐに【黒い靄】と呟いていたじゃない…。
私が立ち尽くしながらそう思いを馳せていると、長田さんも気付いたのか、私の腕を引いて、
『大輔君の家に行こう!!』
と言い、応援に来た人達に行き先を伝え、私と車に乗り込んだ。
どうか…
どうか無事でいて…
私は両手を握り締め、祈るように身を屈めた…