視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
「えっ?!!」
「妻を落ち着かせて寝かせた後、…買い物に出たんです。帰ってきたら、この紙だけが残されていて……。寝ていたはずの妻は…居なくなっていたんです。」
私は、おじさんの言葉を聞いた後、身体中の力が抜けたかの様にその場に座り込んでしまった…。
「……おばさんまで……。」
間に合わなかった…
もっと早くに気付くべきだったのにっっ
私は…何で何も出来ないのっっ?!
次々と、【黒い靄】に引き込まれていく…。
自分と関係があるのは明らかなのに、何も出来ない自分の不甲斐なさに苛立ちを覚えた。