視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~

『はぁ…』と溜め息をつきながら、大輔が居なくなった日付の部分を読んだ。


”大輔居なくなる。理由は分からない。”


大輔が居なくなったのは、7月7日…。
なんで、よりによってこの日?
短冊に願い事を書いたりとか、夢溢れる日に。
まるで大輔が”消えたい”とか願ったみたいじゃない…。


そう心で呟きながら、その日より前の日付の枠も何の気なしに読んでみた。

7月4日
”大輔、赤い目を見たと言う”

7月2日
”大輔、寝るのが怖いと言って寝不足”

7月1日
”黒っぽい物が近付くって何だろう?”

6月28日
”大輔、誰かに見られてるようだと言う。モテるんだ?と聞いたら怒られる”

< 8 / 252 >

この作品をシェア

pagetop