視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
おばさんが部屋に入って来たその後、直ぐに長田さんとおじさんも入って来たんだ。
おばさんは、
『…大輔っっ。良かった…良かったっ。』
と、そう何度も繰り返し呟きながら、私ごと大輔を抱き締めた。
大輔は、困惑した顔をしながら小さな声で、
『あなたは…先程隣にいた…。』
と、他人行儀の様な言葉を呟いた…。
自分のお母さんを『あなた』だなんて…
いつも『母さん』て呼んでるじゃない
何がなんだか分からなくなっていく…。
そう困惑しているところに、おばさんの発言で更に私を混乱させていった…
大輔から私に視線を移したおばさんは、私を驚いた様に見つめて…
「セツちゃん…っっ!無事だったのね?!!」
と、そう言ったんだ…