視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~

そこまで読んで、自分が書いた事なのに違和感を感じた。


「私、こんな事書いた?…ていうか…。大輔と話した事も覚えてない…。」


なんで?
たった2週間前に大輔と話した事なのに。
大輔が居なくなって気が動転してるの?私。


「あっ!!」


私は慌てて通学鞄から携帯を取り出すと、メール画面を開いた。


大輔とはほぼ毎日メールをしていたから、そこにも何か手掛かりがあるかもしれない。
確認しようと、受信箱の7月7日より前の所までスクロールしてみる。

だけど、そこには大輔からのメールは、1通たりとも残ってはいなかった…。

7月7日に”全消去”してあったなら、それは無くても仕方ないのかもしれない。

でも、そうじゃない。

他の友達とのメールは残ってたから…。
それはまるで、故意に大輔からのメールだけを消去したかのようだった。



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