君と見た星
私達はゆーくんの遠ざかっていく背中を
しばらく見つめていた。
「って早くしろ!遅れるぞ!!」
悠真は私の手を取り全速力で教室へと
走り出した。
足が速い悠真に引っ張られてるから
足がもつれそうで怖いです。
やっと教室に着き
予鈴と同時に教室のドアを開ける。
「せ、セーフ」
息が若干上がっている私とは逆に
顔色一つ変わっていない悠真は
だなっと一言言って席へ向かう。
「うわー!後少しで遅刻だったのにっ」
「はい、俺の勝ち〜♪ジュースよろしくなっ」
いつも悠真と連んでいる男子が
ガヤガヤと教室の端で騒いでいた。
「お前等俺の遅刻で賭けなんかすんな!」
悠真はうがーっと男子らの軍団に襲いかかっている。
私はその光景を見ながら
ははは、と苦笑い。
とりあえず私も自分の席へ行こう。
「おはよー美月!今日も朝から大変やね」
「…大変ですよ全く」
いひひっと前の席で笑っている
前川架歩(マエカワ カホ)に重い口調で言う。
「そういや如月は?また保健室行ったん??」
そうなんだよねー、と荷物を収めながら
返事を返す。
そんな世間話をしてる内に本鈴が学校に鳴り響いた。
本当にどうしたんだろ、ゆーくん。
最近よく保健室に行ってるし。
体調でも悪いのかな…。