君と見た星




私達はゆーくんの遠ざかっていく背中を
しばらく見つめていた。



「って早くしろ!遅れるぞ!!」


悠真は私の手を取り全速力で教室へと
走り出した。


足が速い悠真に引っ張られてるから
足がもつれそうで怖いです。



やっと教室に着き
予鈴と同時に教室のドアを開ける。



「せ、セーフ」

息が若干上がっている私とは逆に

顔色一つ変わっていない悠真は
だなっと一言言って席へ向かう。



「うわー!後少しで遅刻だったのにっ」



「はい、俺の勝ち〜♪ジュースよろしくなっ」


いつも悠真と連んでいる男子が
ガヤガヤと教室の端で騒いでいた。


「お前等俺の遅刻で賭けなんかすんな!」


悠真はうがーっと男子らの軍団に襲いかかっている。



私はその光景を見ながら
ははは、と苦笑い。


とりあえず私も自分の席へ行こう。


「おはよー美月!今日も朝から大変やね」


「…大変ですよ全く」

いひひっと前の席で笑っている
前川架歩(マエカワ カホ)に重い口調で言う。



「そういや如月は?また保健室行ったん??」


そうなんだよねー、と荷物を収めながら
返事を返す。



そんな世間話をしてる内に本鈴が学校に鳴り響いた。




本当にどうしたんだろ、ゆーくん。

最近よく保健室に行ってるし。
体調でも悪いのかな…。



< 11 / 28 >

この作品をシェア

pagetop