君と見た星



そう思ったとき、架歩がやっと言葉を発した。


「えっちょ…如月って自分でご飯作ってるん?!!」


どうやら夜槙も同じ事を思っていたらしく、身を乗り出してゆーくんに近づいている。


「そ、そうだよ?あれ知らなかったっけ?」

ちょっと怖いのだろう。
少し身を引いていることが目でわかった。


「知らないよ!だって由郁の弁当美味しそうだったし、綺麗だし!」


まぁ、そうなるよね。
ゆーくんすっごい料理上手いし。


「あれぇ…?僕の家ね、母親が他界してて父子家庭なんだよ。だから僕が作ってるの」



ゆーくんのお母さんは小学生の時に他界した。


買い物の帰り道、衝突事故で。

その日は学校があって、家に帰るとお父さんから告げられたらしい。



< 16 / 28 >

この作品をシェア

pagetop