君と見た星
頼まれた掃除は中庭の草ぬき。
中庭には学校のシンボルである桜の樹が沢山植えられている。
つい最近まで満開だった桜も散り
青々している葉ばっかりで夏らしさが醸し出されている。
そんな樹の周りには沢山の雑草が大地に根を張り生えていた。
結構な量の雑草達だけど、全部抜けとか言わないよね。
全部だったら日が暮れちゃうよ。
「これ全部か…ッ?」
「…な訳ないじゃんっ!」
「んじゃ全部よろしくなー」
私達の話を聞いていたくせに
しらーっとした顔で手をひらひらさせながら
歩き出した先生。
「…やるしかないみたいだね?」
ふふっとゆーくんが失笑を。
ま、まじですか…。
でも遅刻したのは悪いことだし、やるしかないよね。
話している暇はないと思い、
私達はほぼ無言で草をむしり始めた。