スティール
「兄さん?忘れてたね?」

「さすが、我が唯一無二の血を分けた兄弟だ。よく理解していらっしゃる(棒読み)」

皮肉混じり、いや、皮肉を言うと
元也はさらに顔を強張らせる

もう1つ忘れていた

元也は怒っているんだった



「兄さん?どうして、僕が誘ったサッカー部辞めたの?なんだかんだで1年間やってたのに」

「退屈だったからだ。1年間続けたのは、お前がうるさかったからだ。」

「またそれだ・・・・兄さんは勝手だよ。確かに、強引に入部させたし、ひき止めてたけどね、あれは、サッカー部のみんなや監督から期待されてからだよ?才能があるって!」

「そんなのオレが知るかよ。勝手に期待して勝手に信頼されて・・・・オレは1度だって嬉しい何て思ったことないんだよ」

これには少々弟は怒ったようだ

「兄さんは何でも出来るからいいよね?でもだからって、何をやっても退屈だ退屈だって言ってすぐに何でも辞めるのはやめてくれよ!みんな兄さんに期待してすぐに裏切られる。そんな人達の事を兄さんは考えたことある?」


「じゃあ、お前は、学校の授業で永遠に一桁の足し算をやってたら楽しいか?退屈だろ?それと同じだよ・・・」

「ハイハイ、わかったよ兄さん。もう部活が始まっちゃうから僕はもう行くよ。兄さんと違って練習しないと僕は上手くなれないからね。事故にだけはあわないでくれよ?それじゃあね・・・・」

「ああ・・・」

皮肉を吐き捨て、元也は部活へ向かった
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