スティール



『電車が参ります。ご注意下さい』

帰る為に電車に乗る
と言っても、地下鉄でなく、線路を走る電車だ

たくさんの人が会社や学校の帰りの為にこの時間はなかなか混んでいる

こんなところで、痴漢だなんだ言われないように、出来るだけ女性の近くには行かない近くても、痴漢呼ばわりしなさそうな娘を選ぶ


タバコの臭い、豊満な体型の人物から発せられているであろう汗臭、どこからともなく臭う香水


しまったな
討伐って何に乗って戦うか聞いてなかった


普通に戦闘機か?それとも秘密開発された巨大ロボとか?(笑)

どちらにしてもよく考えたら、オレじゃあさすがに動かせないんじゃないか?
どこぞの天然パーマのニュー○イプじゃあるまいし




キィィィィ!!!!

神はやっぱりいる

なにもしてなかったオレにチャンスをくれているみたいだ



「キャァァァ!!」

悲鳴が電車全体を包む

それと同時に足場が歪む

これは間違いない

「この電車・・・・落ちてる」


線路は、地面から30mほど離れている


落ちる時間的には数コンマなのだが、感覚的には数十秒のように感じる


体が一瞬浮いたかと思うと、凄まじい衝撃が襲う



ドォォォォォォォン!!!!


前の車両は全壊したが、オレは後ろの車両にいたため、爆発とまではいかないが、それでも衝撃のデカさは尋常では無い



気が付くと、車内はそうとうひどい情況だった
< 19 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop