スティール
「正義のヒーローを弟に持つと、大変だな?」

「その言葉は、正義のヒーローを実際に弟に持ってみれば答えがわかるさ」

特に仲が良いわけでもないクラスメイト達
ただ単に、オレと弟の関係を面白がって首を突っ込んできているだけなのだ



しかし、正義のヒーローである弟にキャラの強さで負けている、と言われればそうでもない

学内の成績、No.1
スポーツテストの結果、No.1
学内イケメンランキング、No.1

それだけでとどまらず、色んな分野でトップをかっさらっている
何をやってもすぐにマスターする
しかし、何をやってもすぐに辞めてしまう


スポーツプレイヤーはなぜ、スポーツをやるのか?

そのスポーツが好きなのは当たり前だが、徐々に上手くなっていく喜び、認めてもらう喜び、達成する喜び、努力の結果勝利する喜びetcそんなのを全部ひっくるめて「スポーツが楽しい」と言えるだろう


しかし、オレには全部感じない

出来るのも、認めてもらうのも、勝利するのも全部ひっくるめて、オレには当たり前だからだ


苦手と言えば、人と関わる事だが
みんな口々に「見下してんだろ」と言う
はっきり言おう、そうだ

悔しかったら抜いてみろって思う


だから、みんなは、オレと弟との事に面白がって首を突っ込んではくるが、真にオレと仲良くしようとは絶対しない

オレに足りないものがあるとすれば、人との付き合いだろう


だが、オレにとってはそんなもの必要無い
オレはそんなもの望んでない

将来の不安も何も無い
だって、やれば成功するんだから

よって支えてくれる人間なんていらないんだ
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