スティール
キーンコーンカーンコーン
芸の無いどこの学校でもあるチャイムが学校中に鳴り響く

そのチャイムが鳴り響きながらガララララというこれまたどこの学校でもあるハーモニーが完成する

生徒達はマジメな方で、先生が入ってくれば、ちゃんとちゃんと全員が着席するのだ


このままいつものごとく、またつまらない3000秒間が始まるのだと思うと、憂鬱になってくる
しかし、先生の様子がおかしい


「長谷部くんちょっと来てください」

先生様がお呼びだ
クラスのみんながざわつきだす

オレはあまり良い期待は持たず、席を立ち、先生の前と向かう
先生の前に来ると、先生が耳元オレの耳元に近づいてきたかと思うと小声で話してきた

「あまり大声では言えないのですが、「今すぐ校長室に向かうように」と連絡をもらいました。悪い事をした訳では無いみたいですから、心配はいらないみたいです。とにかく、そういう事ですから、授業は公欠扱いになるので今すぐ校長室に向かって下さい」

校長室に?

まあ、いいさ
授業を受けるより5倍は楽だろう


そう思い、一礼してから教室を後にする


廊下を歩いている訳だが、ガラス越しでいやいや授業をやっている生徒達を見る
生徒達は、オレは決して影の薄い存在ではない為に節々にこちらを見てくる
全員が「なんだ?」と不思議そうな顔をしている

オレだって今から何をされるのかまったくわからない

しかし、まあ、頑張って授業に勤しんでくれたまえ。
生徒諸君。
オレは今から教師公認の「サボり」に勤しむとするよ
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