ココロノツバサ
無理もないって。
だって、友達だって思ってた人と、今日からいきなり兄弟だからって言われたって無理でしょ?
そんなもんなんだよ。
「でもさ、柳も相当勇気出したよね」
「え?」
「だって翼咲と柳はいつも翼咲が言うような感じじゃない」
「うん…」
「相当勇気要ったと思うよ」
…柳の気持ちは、考えてなかった。
そうだよね。
私なら絶対に言えなかったと思う。
…柳は、本当に私のことが好きなのだろうか。
私は傍にあった、葵のお気に入りのぬいぐるみを抱きかかえた。
「まあ、あたしはお似合いだと思うけどね」
葵は髪をつつきながら、そう言う。