ココロノツバサ
「え?!」
「だって、柳は勿論だけど、翼咲だって笑ってるよ。良い顔して」
「…そうかな」
「自分じゃ、気付いてないみたいだけど、翼咲。アンタだって嫌じゃないからすぐに断れなかったんでしょ」
「…うん」
見てないようで、見てる葵は本当に鋭い。
キツイように見られる葵は、実は本当はすごく優しいんだ。
キツイことには変わりないのだが、優しさで溢れてる。
そんな彼女だから、私は好きなんだ。
「…葵、私。どうしよう」
「あとはもう、翼咲が柳のことをどう思うかでしょ。まあ、明日も1日考えてみなよ」
「…うん」
それから私は葵の家から出て、自分の家に帰り、夕飯を食べてすぐに寝た。
考えても無駄だと思ったから。
今日は、色々とありすぎて。
だから、また。
また明日、考えよう。
そうして私は、眠りに着いた。