ココロノツバサ
こうして、何かがあればお互いがお互いを冷やかして。
それは、みんなも、先生ですら一緒で。
『また始まった』『柳と水野の夫婦漫才』と。
そうやって冷やかす人も多い。
楽しんでいる人もいて、みんな笑ってる。
そんな雰囲気だから、私だっていつも、楽しくしていたんだ。
でも。
今日はどうしてだろう。
――――苛立って仕方ないの。
「…っ」
下を向いて俯くだけの私に、いち早く気づいたのは、
「…ちょっと、翼咲…?」
やっぱり葵で。
そんな中でも、柳や他のクラスメイト達はざわざわと騒いでいた。
…ああ、もう。
バカだ。
バカだ、私は。
悩んで、損したよ。