世界聖戦
ランスロットがファティマとの戦いで傷を負っているというのは、既にヘルの耳に入っている。

という事はカタリナ一人でマフィア十数人を相手にしなければならない。

だが。

「マフィアとはいえ普通の人間だ、ご自慢のアル・アジフでぶち殺す訳にはいかねぇよなぁ?魔道書原書の魔力は人間にとっては猛毒だ…どんなに手加減したって、宗教防壁を持たない人間が食らえば精神汚染の末に即死だよなぁ?」

ヘルが舌を出して笑う。

ジリジリとにじり寄ってくるマフィア達に。

「大丈夫」

ランスロットを制し、カタリナが前に出る。

「私がお相手します」

「思い上がってんじゃねぇぞ姉ちゃん!」

女一人に拳銃など必要あるまい。

素手でシスターに殴りかかるマフィア達。

彼らは暴力のプロだ。

素手でも相手を残忍に殺す術を心得ている。

が。

「!?」

カタリナはマフィアの一人の拳を摑み、手首を捻り上げると同時に下段蹴りで足を払って跪かせる。

そのまま動きを制し、更に襲い掛かってきた別のマフィアに対して顔面への廻し蹴り!

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