世界聖戦
聖杯の担い手
「あった…」

ランスロットが祭壇の仕掛けを見抜き、隠し扉を開ける。

地下へと続く階段。

その奥まった小部屋に、目的の物はあった。

「これが…聖十字架…」

カタリナが古びた小箱の中身を見て呟く。

木片が埋め込まれていた黄金のロザリオ。

この埋め込まれた木片こそが、イエス・キリストの磔刑に使われたとされる十字架、聖遺物の聖十字架だ。

早い時期から聖十字架は分割され、あちこちに置かれたらしい。

アギオス・ディミトリオス聖堂以外にも聖十字架の破片であると主張される木片は多いが、総計すると十字架数十本分に当たり、故に殆どが紛い物である。

しかし、この聖十字架から発せられる天使の力(テレズマ)は本物。

間違いなく、この聖十字架は聖遺物だった。

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