世界聖戦
以前ヘルがヴァチカンに所属する切っ掛けを聞かされた時、カタリナは違和感を覚えたものだ。

所属する組織のメンツを潰して仕事をしたとかで、抹殺されかけた。

娼婦小屋で椅子に縛りつけられて、床には糞尿がバラ巻かれ、凄まじい力で縄を引きちぎり、自分の両眼球を刳り貫く寸前で、気まぐれに現場を目撃したファティマに助けられた。

…何故床に糞尿がバラ巻かれた程度で、大切な邪視の眼球を刳り貫こうとまでしたのか。

答えがそれだ。

邪視の持ち主は不浄な物に、死に至るほどの嫌悪を感じるのだ。

故に組織がヘルにした仕打ちは、何物にも勝る拷問だったのだ。

処刑と言ってもいいだろう。

「その事がずっと気になって、私は昨日のうちに邪視について少し調べておいたのです…ヘヴンに教えておいてよかった」

不敵な笑みを浮かべるカタリナ。

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