世界聖戦
「かはっ…あ…あがぁ…っ!」

胃液、唾液、血。

様々な体液を口から垂れ流し、ジャンヌが苦悶する。

瞳には涙さえ浮かべ、拷問のようなグレゴリオの攻撃に苦しむ。

そんな彼女の表情にも何も感じないのか。

「がはあ!」

またもグレゴリオの拳がジャンヌの腹にめり込んだ!

甲冑はもう歪んで原形を留めていない。

最早甲冑の役目を果たしていないだろう。

グレゴリオ自身の拳も、如何に鍛えているとはいえ金属には勝てない。

皮膚が捲れ、骨が折れ、その骨が肉を突き破って露出していた。

それでも拳をジャンヌに叩き込み続ける。

愚直なまでに。

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