世界聖戦
身構えるヘヴン。
そんな彼にクスリと微笑みかけ。
「聖母は、私達に広い火の海をお見せになりました」
ファティマは何事か呟き始める。
「それはまさに、地の下にあるもののようでした」
何かを読み上げているようにも、呪文詠唱のようにも聞こえる。
「この火の中に、サタンと人間の形をした魂とが閉じ込められていました」
だがヘヴンには分かる。
同じ…いや格上の唯一神と同一の存在が紡ぐこの言葉が、どれ程危険なものなのか。
「この魂は、透き通るように燃え上がる燃えさしのようで、全ては黒く、あるいは、光り輝く青銅色をしていて、大きな炎の中に漂っていました」
だから、ファティマのこの『奇跡』が顕現する前に。
「くっ!」
キリスト教でいう聖遺物の一つで、キリストが磔にされて死んだ後、その遺体を包んだとされる布『トリノ聖骸布』で出来た衣服で全身を護りつつ、ヘヴンはサン・ピエトロ大聖堂を走り出ていく。
そんな彼にクスリと微笑みかけ。
「聖母は、私達に広い火の海をお見せになりました」
ファティマは何事か呟き始める。
「それはまさに、地の下にあるもののようでした」
何かを読み上げているようにも、呪文詠唱のようにも聞こえる。
「この火の中に、サタンと人間の形をした魂とが閉じ込められていました」
だがヘヴンには分かる。
同じ…いや格上の唯一神と同一の存在が紡ぐこの言葉が、どれ程危険なものなのか。
「この魂は、透き通るように燃え上がる燃えさしのようで、全ては黒く、あるいは、光り輝く青銅色をしていて、大きな炎の中に漂っていました」
だから、ファティマのこの『奇跡』が顕現する前に。
「くっ!」
キリスト教でいう聖遺物の一つで、キリストが磔にされて死んだ後、その遺体を包んだとされる布『トリノ聖骸布』で出来た衣服で全身を護りつつ、ヘヴンはサン・ピエトロ大聖堂を走り出ていく。