世界聖戦
その伝言というのが、先に述べたヘヴンの背信なのだが。

…ヘヴンの事は、カタリナも知っている。

ヴァチカンの叙階に惑わされる事なく、神の教えのみを忠実に守り、祓魔師としての務めを果たす。

志を同じくするカタリナはヘヴンに悪い印象は持っていなかったし、彼の事を『生きた霊装』などと揶揄した事もない。

そんなヘヴンの背信。

きっと彼もカタリナと同じく、ヴァチカンの英国国教会との敵対に疑問を抱いているのだろう。

「そうですか…わざわざ伝言有り難うございました」

深々と礼をして、カタリナはヘルに背を向ける。

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