世界聖戦
「!!!!!!」

瞬時にランスロットは急停止した。

ヘルから目を逸らし、何かを切り裂くようにアロンダイトを一振り。

そして即座にヘルから距離をとる。

「へぇ…いい剣だな、そいつぁ…『視線』を斬れる剣なんざ初めて見たぜ」

喉を鳴らして笑うヘル。

「…俺も実物は初めて見た…あと1秒遅ければ手遅れだったろう…」

ヘルの方を見ないまま、ランスロットは呼吸を乱す。

「貴様は邪視(じゃし)の持ち主か」

邪視とは世界の広範囲に分布する民間伝承、迷信の一つで、 悪意を持って相手を睨みつける事によって、対象となった被害者に呪いを掛ける事が出来るという。

邪眼とも言われる。

邪視の力によっては、人が病気になり衰弱していき、ついには死に至る事さえあるという。

体験者曰く『見た瞬間、死にたくなるんだよ。瞳はなんて事ない普通の瞳なのにな。 とにかく、世の中の全てが嫌になる。見つめられたのはほんの1、2秒だったけどな。 何かの暗示とか、催眠とか、そういうレベルの話じゃない』。

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