世界聖戦
と。

「いい加減になさい、メサイア」

部屋の中、よく通る声が目を閉じたままの司祭に向かって放たれる。

発言したのは老人だった。

白い法衣、老いてすっかり体格は小柄になっているが、その碧い瞳には凛とした雰囲気が宿っている。

彼…ローマ教皇は、目を閉じた司祭メサイアを窘める。

「誰が千年真祖を止めようが構わないのです…肝要なのは、無辜の民に魔物達の被害が及ばぬ事…神の教えと主の子らを護る為にのみ、我らは存在するのです…決して…」

教皇の瞳がメサイアを見据える。

「英国国教会との勢力争いの為に、祓魔術はあるのではありません」

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