世界聖戦
場面は変わる。

イタリア・ナポリ。

イタリア南部カンパニア州の州都で、ナポリ県の県庁所在地である。

世界三大夜景の街として有名。

『ナポリを見てから死ね』と言われるほど風光明媚な土地としても知られる

ナポリ市の人口は約100万で、ナポリ都市圏の人口は約300万だが、古くから過密が社会問題になっている。

イタリア以外の外国人が想像する輝く太陽と温暖な気候、陽気な人々というイタリアのイメージは、この都市が元になっている。

そんな明るいイメージの街でも、『闇』は存在する。

「神のご加護のあらん事を…」

右手に刻まれた痣を額に押し付けると、その異形の生物は断末魔の悲鳴と共に消滅した。

…その痣の持ち主は若い男だった。

白髪の短髪、生成りに近い象牙色の布で出来た簡素な衣服、中肉中背だがやや筋肉質。

名はヘヴンという。

本名は天野 国彦(あまの くにひこ)。

ヘヴンというのは教徒名。

真名を明かすのは魔術戦闘や魔との戦いにおいて危険である為、この名は重要なもの。

イエス・キリストが磔刑となった際についたとされる傷、また何らかの科学的に説明できない力によって信者らの身体に現れるとされる類似の傷『聖痕』を持ち、これらはカトリック教会では奇跡の顕現と見なされている。

聖痕は、キリストの受難において釘を打たれた左右の手足と、ロンギヌスの槍によって刺された脇腹の五ヶ所に現れる。

ヘヴンもまた、同じ五ヶ所に傷を持っていた。

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