世界聖戦
あまりに強力な祓魔の力を持つ為、『生きた霊装(魔術的兵器、魔法の道具の意)』と呼ばれ、同じカトリック教徒にすら人間扱いされない事もあるヘヴン。

だが千年真祖と呼ばれる吸血鬼討伐の後も、彼は魔物討伐の任についていた。

全ては聖痕を持つ者として、神の御力を借りて人々を護る為に。

どう思われようが、神が人間達を護るのならば、彼もまたその意思に背いてはならない。

…過密なナポリの路地裏。

屍すら残さず聖痕によって消滅した魔物を見届け、討伐を終えたヘヴンは。

「!」

一羽の白い鳩が肩にとまった事に気付く。

ヴァチカンからの伝書鳩。

その足首には手紙。

「……」

司祭メサイアからの伝言だろうか。

手紙を取ってそれを読んだヘヴンは。

「…馬鹿な」

我が目を疑った。

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