世界聖戦
だが。

「違う」

ヘヴンは尚も言い続ける。

「例え霊装が認めようと、信徒達がそう呼ぼうとも」

聖痕の刻まれた拳を、握り締める。

「己の思惑で容易く他者の命を奪う者を、俺は主とは認めない」

「僻むのはお止しなさいな、偽りの唯一神と同一の存在」

ファティマがヘヴンを嘲笑う。

「神とて間引きする事はあるわ…私がプロテスタントを葬り去るのは『避けられない事象』なの」

「ファティマ…」

握り締められた拳から、血が滴り落ちる。

「己の罪を正当化するな!」

< 96 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop