forget-me-not
「ふぁー」
とある宿の一室。
イオは疲れて重くなった身体をベッドに預けた。
決してふわふわではないが贅沢は言ってられないのが旅。
一見普通の女の子に見えるが、イオもれっきとした旅人。たった一人で世界を渡り歩いているのだ。
壁に立て掛けてある剣がイオの旅のお供。
古そうだがしっかりとした切れ味に、鞘には何かの彫刻が施されている。いつだったか旅先の遺跡の中で手に入れた宝物。
「ああ…。明日にはこの町を出ようかな」
そう呟くもやはり気になるのは先程の悪魔のような男のこと。
頭から離れないあの出で立ち、言葉、得体の知れない感情。
「気になるー。気になりすぎるー。あの人は何者?」
考えに考えるが、当然答えはでない。
「迎えに来て私をどうするんだろ…。まさか殺すとかないよね」
イオは布団に包まり、天井を見上げる。
虚無。
孤独。
この広い世界に独りぼっちなイオ。
あてもなく旅するイオは無意識に、自分の居場所を探していたのかもしれない。
「それでもいいかな…。私が死んでも誰も悲しまない」
曇る表情。
襲ってくる睡魔。
堕ちていく…。
深い深い眠りの底に。
遠退いていく意識…。
イオの頬を一筋の涙が伝う頃、彼女はもう夢の中。
とある宿の一室。
イオは疲れて重くなった身体をベッドに預けた。
決してふわふわではないが贅沢は言ってられないのが旅。
一見普通の女の子に見えるが、イオもれっきとした旅人。たった一人で世界を渡り歩いているのだ。
壁に立て掛けてある剣がイオの旅のお供。
古そうだがしっかりとした切れ味に、鞘には何かの彫刻が施されている。いつだったか旅先の遺跡の中で手に入れた宝物。
「ああ…。明日にはこの町を出ようかな」
そう呟くもやはり気になるのは先程の悪魔のような男のこと。
頭から離れないあの出で立ち、言葉、得体の知れない感情。
「気になるー。気になりすぎるー。あの人は何者?」
考えに考えるが、当然答えはでない。
「迎えに来て私をどうするんだろ…。まさか殺すとかないよね」
イオは布団に包まり、天井を見上げる。
虚無。
孤独。
この広い世界に独りぼっちなイオ。
あてもなく旅するイオは無意識に、自分の居場所を探していたのかもしれない。
「それでもいいかな…。私が死んでも誰も悲しまない」
曇る表情。
襲ってくる睡魔。
堕ちていく…。
深い深い眠りの底に。
遠退いていく意識…。
イオの頬を一筋の涙が伝う頃、彼女はもう夢の中。