forget-me-not
イオの発言。
ガラスのハートのウルドは肩を落として溜息。
「俺…いつも惚けてるってことか」
今まで自覚症状がなかったのだから、その分ショックは大きい。
斜め下を向いてどんよりしているウルドを励まそうと、イオはウルドの肩に手を置いた。
華奢だが骨張った肩。
「でも私は…そんなウルドが大好きだから――ね?」
ウルドはかくんと更に頭を落とした。
へたれ。
これは天質。
「ほら、そろそろ日が暮れちゃうぞー。
宿まで競走だっ」
イオが羨ましいくらいの持ち前の明るさでウルドの心を照らす。
こうされると自然とウルドも笑みが零れるのだ。