こらしめ屋


しばらく階段の手摺りに寄り掛かって待っていると、やっと和樹が来た。



「遅い!自分から呼び出しといて遅刻はないでしょ。」


「悪い、悪い。ちょっと杉崎んとこ行ってたんだよ。」


「杉崎の?なんで?」



杉崎と和樹って、意外な組み合わせだな…



「別に…。春花には関係ないだろ。」



【関係ない】って言葉にムカッときた。



「あっそ!じゃあ、とっとと用件だけ言ってくれる?あたしは忙しいんだから!」


「わかってるっつの!ったく、うるせぇ奴だな。」



和樹はぶつくさ言いながら、あたしが寄り掛かっている手摺りのすぐ横に来て同じように寄り掛かった。



「お前さ、杉崎に告ったてまじ?」



……!!?

なにを言い出すかと思えば、今日一日で耳にたこができるほどきかれた言葉だった。



「あぁ、もう…。なんで和樹までそんなこと言うかな…」



あたしはため息をついた。



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