こらしめ屋


誤解を解こうと口を開きかけた時、和樹は意地悪く笑いながら、



「なんてな。さっき杉崎に確かめてきたから、嘘だって知ってるぜ。」



と言った。



「なっ…!じゃあ、なんでわざわざきいてきたのよ!?」


「べつに?ま、しいていうなら、春花のうんざりした顔を見たかったから、だな!」



そう言って、アハハと声を出して笑った。

性格わるっ!

ドSか!!



「和樹、性格悪いよ!」


「知ってるし。」



自覚してんなら治せよ!

と、心の中で小さくツッコミを入れた。




和樹は、ひとしきり笑い終えると、再び話を始めた。



「それじゃあ、こっからが本題な。」



できれば、もっと早く本題にいってほしかった。

忙しいって言ってるのに、和樹は自分のペースを崩そうとはしない。

迷惑な奴だけど、嫌いになれない性格なんだよね…



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