こらしめ屋
「春花、お前 俺にも海にも隠してることあるだろ?吐け。」
吐けって…、脅し!?
ってか、隠してることってあのことだよね…
よしっ!
ここはひとつ冷静にいこう。
「なんのこと?隠し事なんかしてないよ。」
しらばっくれ作戦だ。
「とぼけてんじゃねーぞ!バレバレなんだよ!昔っから顔に出やすいタイプのくせして。」
そうだったの!?
あたしは慌てて下を向き、和樹に表情をよまれないようにした。
「隠し事なんかしてないって!あたしが隠し事してるっていう証拠でもあるの?」
すると、和樹は勝ち誇ったかのようにニヤリとして、指折り数えだした。
「一つ。俺が【金の亡者か!】って言った時に、一瞬表情が暗くなった。
二つ。俺が【作り笑いやめろ!】って言った時、必死に否定してた。
三つ。昨日、杉崎と一緒に帰ってた。
どうだ!怪しむなって方が無理だぜ?」