こらしめ屋
「気にすんな!とにかく!なにを隠してんだ!?」
どうしよう…
言ってしまおうか?
いっそ全部吐き出して楽になろうか?
…でも…怖い。
和樹こそあたしをどう思ってるの?
和樹にとってあたしは、大切な存在?
綾瀬財閥のことを言っても、それは変わらない?
信じていたいけど、過去に裏切られた哀しみや絶望…、いろんな負の感情が、あたしの口にブレーキをかける。
ダメだ。
また泣きそう…
下唇をキュッと噛み、涙をこらえる。
「おい、春花?いい加減教えてくれたっていいだろ?一人で抱えてんなよ。」
「…和樹はさ、あたしの事…どう思ってるの?」
突拍子もない問い掛けに和樹は一瞬、目を丸くしたが、すぐさま元の真剣な顔に戻った。
「んなもん決まってんだろ!大切に思ってる。」
「本当に!?どのくらい大切に思ってる!?」
こんなくだらないことをきくのは間違ってると思う。
だけど、言葉が欲しい。
証明できる言葉が…