こらしめ屋
「じゃあ…、明日の放課後に事務所に来れる?」
「今日は話してくんねぇのかよ?」
「和樹に話すなら、海にも話すべきだと思うんだ。」
「そっか。なら仕方ねぇな!」
「うん。ありがとうね。和樹の本音が聞けてよかったよ!また明日ね。」
「おう!じゃあな!」
玄関に向かおうとして数歩進んで行ったけど、気になって後ろを振り返ってみた。
和樹のことだから、もういないだろうと思ったけど、珍しくまだこっちを見てる。
あたしはなんだか嬉しくなって、笑顔で手を振った。
すると、和樹もクシャッとはにかむように笑って、手を振りかえしてくれた。
和樹の笑顔を見て、心の底がこそばゆいくらいに嬉しさが込み上げてきた。
この時のあたしの心は、幸せが溢れてくるのを確かに感じていた。