こらしめ屋
「海、和樹…。今から話すことは、全て真実だから…。受け止めてくれるよね?」
あたしは、2人の瞳を覗き込むように首を少し傾げて、確認した。
「大丈夫だよ。」
「まかせとけ!」
「ありがとう。じゃあ、まず何から話そうか…」
そうしてあたしは、今まで誰であっても教えようとしなかった、大きな秘密を、一つ一つ話していった。
―…両親に捨てられたこと。
―…綾瀬財閥のこと。
―…こらしめ屋を営んでいる本当の理由。
―…杉崎を呼び出したのは、口止めの為だということ。
全部 話した。
一つ秘密を明かす度に、心が少しずつ軽くなっていくような気がする。
あぁ、もう二人に隠し事しなくてもいいんだな…
って思った。
罪悪感?
今まで心の中でぐるぐる渦巻いていた、モヤモヤした感情が晴れていった。
本当は、こんな展開を望んでいたのかもしれない…
きっと、心の隅っこで小さく願ってた。
胸の奥に奥に…
気づかれないよう、奥に奥に…
そうするのは、とても辛かったから。