こらしめ屋


あたしは、二人の態度が変わらぬことにホッと胸を撫で下ろす。

そして、自然と笑顔になった。


……んだけど。

いきなり海が泣き出した。



「えっ!?どうしたの?海?どっか痛いの?」


「…うぅ…ヒック…ちがうの。く、悔しいの。悩んでるって…き、気づいてた…のに…っ…慰めることも…で、できなかった…ヒック…っ…。」


「海……。そんなことないよ!海がいつも心配してくれてたの知ってるよ?何気ない会話の中で、あたしのこと心配してくれてたの…嬉しかった。」


「で、でも…っ…そんなに…大きな闇…を抱えてるって…知ってたら…っ…。親に捨てられた過去があったなんて…」


「海が謝ることないんだよ?逆に、あたしの方が謝んなきゃ。今まで海のこと、信じきれなくってごめんね…。これからは、何があっても信じるから!」


「春花…っ…ありがとう…。私も…春花のこと信じてるよ。大切な親友だもの!」




海…

本当にありがとう。

海がいてくれて、良かった。

感謝の気持ちでいっぱいだよ。



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