こらしめ屋


「だけどよ、春花は重要なことを言ってねぇ。」



突然、和樹が話しを切り出した。



「へ?重要なこと?」


「これからのことだよ。どうすんだ?」


「これから…?」


「うん。春花は…未来を考えてる?」



泣き止んだ海も、あたしにきいてきた。



「考えてる……けど。まだ、その時じゃないの。あともう少しなんだけど…」



そう。

あたしには、ずっと考えていることがある。



「もう少しって、なにがだよ?」


「……お金。こらしめ屋で貯めたお金が、もう少しで目標額に達成しそうなんだ。」


「そういえば、こらしめ屋はお金の為だって言ってたね。でも、どうして?」


「先に言っとくけど、あたしかなり性格悪いから……話 聞いても引かないでよ?」


「なに今更なこと言ってんだよ。もう、俺らに隠し事は無しだろ?」


「そうだよ。大丈夫だよ?春花。」



< 124 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop