こらしめ屋
「うん。ありがとう。お金を貯めている理由はね……アメリカへ行く為なんだ…」
「あ、あめりかぁぁあ!?」
和樹が驚いて声を上げた。
だけど、海はわかったみたいで、冷静に、
「そっか…」
とだけ言った。
「うん。やっぱり決着をつけたい…!このままで終わらせたくはないよ。」
「おいおい!ちょっと待てよ!なんで、いきなりアメリカなんだよ?」
和樹はまるでわからないのか、話についてこれていない。
まったく…
新聞ってものを読んでないの?
もしくは、ニュースを見てないわけ?
「和樹…、あんたニュースとか見ないの?」
「そんなもん、どうでもいいから見てねぇよ!」
やっぱり…
「綾瀬財閥の本社が、どこにあるか知ってる?」
あたしが問いかけると、和樹は首を捻り、考え込んでしまった。
その様子を見て、思わずため息をつくと、
「アメリカだよ。」
と、海が代わりに答えを言ってくれた。
「さすが、海。」