こらしめ屋
「春花、もっと私達のこと、頼りにしてね?」
「うん!話、聞いてくれてありがと。なんだか、心が軽くなった気がする。」
「私こそ、話してくれてありがとう。すっごく嬉しかったよ。」
「俺も、話してくれてありがとな。これからは、なんでも話せよ!」
「うん!本当にありがとう!海も和樹も、大好きだよ。」
そう言うと、海はほんわりと微笑んで、和樹はなぜか顔を赤らめてそっぽを向いた。
人がせっかくいいこと言ったのに、失礼な奴。
「えっと…悪いんだけど、あたしこれから用事あるんだ?今日はこのへんで…ね?」
「わかったよ♪じゃあ、和樹。出ようか?」
「おう!じゃあな、春花!また明日。」
「うん。また明日!」
いつも通りの明日が、また来るんだ。
そんな幸せを噛み締めながら、事務所を後にする二人を見送った。
そして、あたしも事務所を出て鍵をかけ、親和町へと向かう。
一丁目、二丁目を通り過ぎ、夏柑の探偵事務所まで来た。
相変わらず、おんぼろな事務所。