こらしめ屋


「俺様を誰だと思ってんだよ。」


「天才、夏柑様!!」


「その通り!俺ほどの天才、世の中にそういねーよ!」



これを言うと、夏柑のテンションは普段からは想像もつかない程に高くなる。

ま、調子に乗るともいうけどね。



「天才な夏柑様なら、わかるよね?ターゲットの居場所はどこ?」


「ふっ。しょうがねーな!この、天才探偵夏柑様が教えてやるよ!」



よっしゃ!


そんな夏柑を見て、あたしは思わず小さくガッツポーズをした。

夏柑を上手いこと、のせることができた。

いつものだる~いテンションじゃ、



【情報言うのもめんどくせぇ。】



とか言って、教えてくれない場合もあるから、夏柑のテンションを上げるのは、情報を手に入れる上で重要なポイントだ。



と、いうわけで、夏柑は分厚いファイルをパラパラとめくり、あるページで手を止めて、宮武の情報を話し出した。

あたしは、急いでメモとペンを用意する。



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