こらしめ屋
「あくまで可能性だ。ま、詳しいことが分かり次第連絡すっから早く出てけ。」
「えっ!?他の情報は?」
さっきまで、教える気満々だったくせに。
マイペースで気分屋な性格が顔を出してきた。
「また今度な。ちょっと調べねぇといけないもんができた。」
あたしは、渋々だけど了解する。
「…わかった。何かわかったら、ちゃんと連絡してよね?」
「覚えてたらなー。」
なんだそりゃ!
いつの間にか、だる~いテンションに戻ってるし。
ま、これ以上いたらブチ切れそうだから、早く事務所を出るとしよう。
「じゃあね、夏柑。頑張ってよー!」
もちろん、返事なんてある筈もなく、最後に見えたのは、閉めかけたドアの隙間から微かに見えた、ファイルとパソコンに向かい、せわしなく働いている夏柑だった。
仕事には熱心なんだよね。
でも、もっとコミュニケーション能力ってものを身につけた方がいいんじゃないんだろうか。
人を不快にさせる能力は、ぴか一だけど…
なんて考えながら、今日のところは、家へと帰った。