こらしめ屋
ホコリで所々、読みにくくなっているそれを見て、あたしはパソコンの重要性を強く感じた。
「……はやく渉に手伝ってもらって、パソコンにデータを移そう。」
そう呟いて、あちこちについてしまったホコリを払いながら、事務所の表へと戻った。
表に戻ると、ソファーの前にある、あたし専用のデスクに取ってきた資料を置いて、ソファーに放ってあるカバンからケータイを取り出す。
あたしの学校は、ケータイ持ち込み禁止なんだけど、必要なんだからしょうがない。
先生も、こればっかりは大目にみてほしい。
デスクに広げた資料を見ながら、ケータイを操作して、名刺に書かれている電話番号を、電話帳に登録する。
「よしっ。登録完了!ではでは、早速…。久しぶりだから緊張するなー。」
そう言って、登録したばかりの番号に電話を掛け、相手が出るのを待つ。
電話番号は、変わってない筈なんだけど、本当に久しぶりに掛けるから、ちょっと不安…